◎副市長(山田秀一) 私からは件名3、要旨2「豊かな地域資源の次世代への継承・発展について」の1点目でございます。公共下水道に接続されていない海の家に対する接続促進のさらなる取り組みについてでございます。
 海水浴場における海の家からの排水状況といたしまして、湘南海岸のうち、片瀬西浜の海の家からの排水につきましては、神奈川県が整備をいたしました海岸公園内の既設排水管にほとんどが接続をし、本市の公共下水道に排出をし、処理をされているところでございます。また、片瀬東浜の海の家につきましては、海岸側の公衆用トイレまで公共下水道が普及をされておりますが、東西に長く、道路との高低差のある海岸に立地をする海の家からの汚水を自然流下で排除する設備の設置や、未利用期間の維持管理などさまざまな課題がございます。このような状況ではございますが、海岸の環境衛生の観点から、残る西浜及び東浜における海の家からの排水の公共下水道への接続を促すとともに、海水浴場組合などとの協議、調整を進めてまいります。
 公共下水道への排除が可能となるまでの間、海の家からの排水につきましては、環境保全の観点から固形物の除去や分解性の高い洗剤の使用を要請しておりますが、地下浸透処理などの環境負荷の小さい処理方策が図られるよう関係機関と連携をして働きかけを行いまして、海岸の美化、環境の保全に努めてまいります。
 次に、2点目の水田保全奨励事業における奨励金の交付対象についてでございます。横浜市では緑豊かな田園風景の維持や治水の役割などとして、また、茅ヶ崎市では水害防止の治水の観点などから、それぞれ水田の所有者に対して奨励金を交付しているものでございます。本市では水田の持つ貴重な緑地空間や生物の生息環境の創出、大気、水の浄化、水源の涵養、治水面での災害防止など、多面的な機能の保全を図るとともに、水田の遊休農地化を防ぎ、水田耕作の拡大を図っていくために、水田の耕作者に対しまして奨励金を交付することと考えております。
 次に、どのように水田耕作者を把握し、奨励金を交付するかについてでございますが、水田耕作者につきましては、平成22年度から国の米の戸別所得補償モデル事業を行っております。この事業の対象者は水田耕作者が対象となっておりまして、藤沢市では藤沢市水田農業推進協議会が中心となりまして事業の周知等を行ってまいりました。水田保全奨励事業につきましては、藤沢市水田農業推進協議会の会員の方々に周知を行うとともに、広報ふじさわやJAさがみの広報誌により周知をし、水田耕作者を把握し、奨励金を交付を行ってまいりたいと考えております。
 次に、5年間実際に耕作をしているのかどうか、どのように把握されているのかについてでございますが、実際に耕作をしているかどうかは申請のみでなく、水田の現況調査を行うことが大変重要と考えております。水田耕作者数は平成18年当時の水田台帳で691名となっておりまして、多くの耕作者が申請することが考えられますので、JAさがみなど関係機関の協力により水田耕作の実態を把握していきたいと考えております。
 次に、川名緑地の保全についてでございます。川名緑地につきましては、鎌倉市との連携により、手広緑地と合わせまして約32ヘクタールの緑地保全を図っていくものでございます。まず、第1期目の取り組みにつきましては、藤沢、鎌倉の両市にまたがる約15.4ヘクタールの大規模な緑地であることから、神奈川県による特別緑地保全地区指定に向けまして海老根市長と鎌倉市長がこの2月に県知事に要請をしているところでございます。なお、指定には土地の買い入れ措置など県市間の負担が生じるため、鎌倉市との連携のもと県と十分な協議を進めていきたいと考えております。
 また、残る部分につきましては、特別緑地保全地区の指定と横浜藤沢線との整合を図った上で都市計画決定に向けて取り組んでまいります。しかし、都市計画決定までの当面の間、緑地保全の観点から引き続き、宅地開発のおそれの強い外周部分を中心に、みどり基金などの活用に緑地取得を進めてまいります。その取得に際しましては、平成21年度からかながわトラストみどり基金による保全、買い入れ対象緑地として選定されておりますので、今後も県との共同購入を実施してまいります。
 次に、4点目の石川丸山谷戸についてでございます。石川丸山谷戸の約20ヘクタールの保全につきましては、丸山地区の約10ヘクタールは都市公園法に基づく都市緑地に指定、残る色子地区約10ヘクタールは引地川特別緑地保全地区の指定拡大を図ることなどによりまして、一体的な保全を図っていく予定でございます。
 丸山地区における今後の用地取得の進め方でございますが、約10ヘクタールのうち既に市が取得済みの約6ヘクタールを除く残る約4ヘクタールにつきまして、補助事業として特定財源を確保することで計画的に毎年一定規模の用地取得を進めてまいります。なお、突発的な相続の発生等に対する用地取得につきましても、みどり基金の活用を図っていきたいと考えております。
 次に、色子地区につきましては、将来的に引地川特別緑地保全地区の指定拡大を目指すものでありますが、指定までの間、県条例に基づく里地里山保全等地域の拡大を図り、保全にかかわる活動団体への支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、今後の谷戸の具体的な保全策の検討についてでございますが、具体的な保全策といたしましては、谷戸内には市条例に基づく保存樹林や農振農用地などを含むため、保全及び利活用に向けたゾーニング計画によりまして都市公園法に基づく都市緑地、あるいは都市緑地法に基づく特別緑地保全地区の指定を市に、その他法令に基づくさまざまな手法を組み合わせまして保全を図っていく予定でございます。藤沢市緑の基本計画では保全方針を既に位置づけているところでありますが、より具体的な保全方策につきましては、平成23年度に策定を予定しております緑の実施計画に位置づけてまいりたいと考えております。
 次に、5点目の緑地の保全についてでございます。三大谷戸の保全を初めとする市有山林の維持管理につきましては、現在市が実施をしております越境木の剪定や道路沿いの草刈りなどの維持管理に加えまして、市有山林20カ所で藤沢市相互提案型共同モデル事業によりまして、NPO法人藤沢グリーンスタッフの会の手による枝おろし、間伐、下草刈りなどの里地里山保全事業を実施しております。また、平成22年度からは企業の社会的責任、いわゆるCSR活動によりまして緑地の管理をしていただいているところでございます。しかしながら、今後の緑地の買い入れなどによる市有山林の面積の増加に加えまして、山林の質を高めるための維持管理の充実が課題でございます。そのためのボランティア活動団体の協力、企業によるCSR活動の充実、拡大が不可欠と考えております。
 それらを踏まえる中で、今後の進め方といたしまして、現在市と藤沢グリーンスタッフの会とが共催をする里山保全ボランティアリーダー養成講座の修了生を中心に、ボランティア従事者や団体数の増加を目指すとともに、CSR活動企業数の増加や活動範囲の拡大など、維持管理に当たる人材、組織の充実に努めてまいります。また、一方で、緑地取得に当たっての財源となりますみどり基金の充実にも取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、件名4「さらなる可能性を追求する創造発信都市について」、要旨1「『藤沢づくり』を支える都市構造の再構築と地域経済の活力再生について」お答えをいたします。
 1点目の新産業の森についてでございます。まず、農振農用地の取り扱い等についてでございますが、既に都市計画法に基づく特定保留区域に指定済みでありまして、整備に当たりましては市街化調整区域内地区計画と市街化区域編入、この2つの整備手法を並行して検討を進めてまいりました。現在、国土交通省と農林水産省との省庁間協議によりまして、市街化区域編入による農振農用地を解除する方向で調整をしているところでございます。
 次に、下水道整備についてでございますが、下水道は地区を南北に縦貫している藤沢厚木線に幹線道路を埋設し、それに地区内で発生する下水を枝線で集め流入させる計画でございます。なお、藤沢厚木線に埋設されております地区に最も近い下水道の端末は、地区の南方約600メートルの下流側となる県道横浜伊勢原線用田バイパスとの交差部にございます。したがいまして、今後その600メーター区間の管路を整備することで地区内からの下水を処理してまいります。なお、整備時期につきましては、進出企業の操業開始の時期と整合を図りつつ整備を進めてまいります。
 次に、新産業の森への企業誘致に向けた準備状況でございます。湘南C−X(シークロス)にかわる新たな産業用地として新産業の森北部地域を指定し、この地区への企業立地を誘発するために税制上の支援措置を講ずることなどを内容とする藤沢市企業立地等促進のための支援措置に関する条例の一部改正案を、この2月定例会に提案をしているところでございます。具体的には、新産業の森北部地区への進出企業に対しまして、大企業は5年間、中小企業は7年間の固定資産税と都市計画税を課税免除することで、研究開発型施設や工場などの企業進出を促進し、産業の集積を図ってまいる予定でございます。
 次に、進出を希望している企業の意向調査などについてでございますが、平成22年3月に新産業の森へ進出に関心を持たれている企業を対象に、進捗状況等についての説明会を実施したところでございます。その後、平成22年9月の本市景気動向調査におきましてアンケート調査を実施するとともに、民間企業出身者で豊富な経験を有する産業振興対策担当参与による企業訪問によりまして、新産業の森への進出意向について情報収集を行っているところでございます。現在のところ、市内の住工混在地区に位置をし、操業に苦慮している企業や工場の集約、あるいは事業拡大を目指す企業など十数社の市内企業が進出を希望、または検討中という状況でございます。今後は、新産業の森の整備が進み、ある程度土地の価値などが明確になった段階で、神奈川県企業誘致促進協議会や藤沢商工会議所などと連携をし、市内外へ積極的にアピールをしていきたいと考えております。
 次に、2点目の遠藤葛原線についてでございます。まず、遠藤葛原線は健康と文化の森と新産業の森とを結ぶ新たな北部地域の南北軸として整備をするものでありまして、その整備スケジュールにつきましては総延長約3.1キロメートルを葛原工区約1.5キロメートル、遠藤工区約1.6キロメートルとに分割の上、新産業の森と葛原スポーツ広場を結ぶなど、整備効果が高い葛原工区から着手を予定しておりまして、平成23年度より社会資本整備総合交付金を導入し、調査を取り組んでいく予定でございます。
 次に、先行地区であります葛原工区の地元への説明状況につきましては、平成21年7月に第1回全体説明会を開催後、33名の関係地権者全員に対する個別説明等を実施いたしました。その際、ほとんどの地権者の方々から賛成あるいは協力の回答を得たところでございます。その結果報告を兼ねまして、平成21年10月に第2回全体説明会、同年12月には地権者の方々を対象に、より踏み込んだ意見交換会を開催したところでございます。主な意見といたしましては、道路の必要性や線形を若干変更できないかなど、計画やルートへの御意見のほか、大多数の方からはこの計画で早期に整備をしてほしいという賛成の御意見が出されておるところでございます。
 飛びまして、次に、7点目の相鉄いずみ野線の延伸についてでございます。昨年6月に発足をいたしました、いずみ野線延伸の実現に向けた検討会では、交通システムに関しまして、現在、公共交通システムの比較や事業性についての検討、まちづくりに関しては沿線地域の将来像や新たな需要に関する検討、環境施策に関しましては交通システムや沿線まちづくりにおける環境施策の検討を、それぞれ進めております。課題といたしましては、建設費や整備期間、整備のための手続あるいは収支採算性、さらには旅客需要や沿線地域のまちづくりなど数多くありますが、中でも用地の確保が事業の早期実現に向けての一番の課題であると認識をしているところでございます。今後はこれらの課題を整理いたしまして、鉄道やLRTなどの交通システムの選定、ルート、構造や具体的な事業スキームの検討、沿線地域のまちづくりの検討をさらに深めまして、平成23年度中にその実現化方策を取りまとめていく予定でございます。
 実現に向けましては、この検討結果を受けまして、平成24年度以降、事業者の選定あるいは基本計画の策定、周辺のまちづくりの計画の策定、都市計画決定や環境アセスメント、施工認可など諸手続や用地買収などを精力的に進めてまいりたいと考えております。
 次に、相鉄いずみ野線の延伸に合わせたまちづくりについてでございます。都市拠点の一つであります健康と文化の森につきましては、慶應大学と連携をする中でSFCの持つ情報、環境、医療分野等の技術の集積や、健康・医療機能の集積を目指すとともに、沿線でのまちづくりにつきましては、延伸計画とあわせまして沿線の都市的土地利用に向けて線引きの見直しも視野に入れ、地域住民の方々と十分に意見交換をしながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、8点目の健康と文化の森についてでございます。まず、相鉄いずみ野線延伸と健康の森基本構想との整合性についてでございます。昨年8月に地域住民の方々の参加のもと策定をされました基本構想のゾーニングにおきまして、全体約33ヘクタールのうち南側の遠藤宮原線沿いの第1期整備区域約9.3ヘクタールにつきまして、医療や研究開発などの都市的土地利用エリアとして位置づけたところでございます。残る部分は谷戸の自然環境の保全、利活用を図るエリアとして位置づけておりまして、相鉄いずみ野線の延伸に伴う土地利用との整合は図られているところでございます。
 次に、遠藤宮原線と健康の森との間に挟まれた地域の活用についてでございます。活用に際しましては、現在、打越地区まで土地利用が進んだ文化の森地区での都市機能集積状況を見ていく中で、どのような土地利用が必要か、地域住民の方々の御意見をお聞きしながら取り組んでまいりたいと考えております。その際、周辺の農地や緑地などの自然環境資源と調和をする土地利用のルールづくりも必要になると考えております。いずれにいたしましても、相鉄いずみ野線の延伸に向けた検討会とあわせた検討になるものと考えております。
 次に、新南北線推進事業についてお答えをいたします。(仮称)新南北線につきましては、中短期的には定時性、速達性の観点から連節バスの導入、長期的には西北部地域、綾瀬市の土地利用の進展等を見据えつつ、LRT導入に向け研究を進めてきておりまして、また、綾瀬市との広域連携に向けた取り組みの中では鉄軌道延伸の要請も受けているところでございます。今後におきましては、いずみ野線延伸の実現に向けた検討会での考え方、あるいは検討成果などを参考にして、いずみ野線延伸に伴うバス等公共交通網の再編、あるいは湘南C−X(シークロス)の今後のまちづくりの進展なども考慮いたしまして、連節バスやLRT導入に向けた課題の整理をした上で、その方向性を明らかにするとともに、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス方面、あるいは湘南台駅方面への走行ルートについても検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。